あいうえおうさま?
実家のアップライトピアノを処分した。
そのピアノにかかっていたカバーがあるのだが、母が後生大事に取っておこうとするので捨てた方がいい、と忠告した。
母としては、できればピアノは思い出の品として取っておきたかったので当然カバーだけでも…、と思っていたらしい。
見えるところに畳んで置こうとする。
でも間違いなく部屋に馴染まないしホコリが増えるだけ。
捨てるのに抵抗があるなら何か有効活用できないか…。
姉と二人でピンときたのが王様のマント。
ワインレッドの地に金色っぽい模様が入っているジャガードのような感じの結構重厚な生地なのだ。
ちょうど、姪が通っている保育園で使わなくなったハロウィンなどの仮装衣裳を募集しているらしい。
衣装なんか作ったことないし、なんならリメイクも経験がない、と思う。
でも、リメイク、といえば最近ハマっている『Sewing Bee』!
参加者が元の素材を活かしたりガラッと構造から作り直したりするのは毎回楽しみ。
個性が出て面白い。
私にあそこまでの技術はないけど、ちょっとワクワクしながらどんなものができるか考えた。
この考えてる時間が一番楽しいのかもしれない。
ネットで売ってる仮装衣装を参考にしつつ、限られた布でどんな形にするか、どうやって着脱するか、何を買い足すべきか、子どもが安全に遊べるものってどんなものだろう、と考えることがたくさんあった。
出来上がったのがコレ!
王様のマントをふたつと騎士の肩当てのイメージのものをひとつ作ってみた。
騎士の肩当ては緑の部分を脇に挟んで装着できるかなぁと思っている。
色々考えたわりにうまくいかなかった…けど楽しかったし勉強になった!
白いモコモコはユザワヤで300円になっていた、端をかがってあるのでそのままひざ掛けにもできる、という生地を買ってきて、ほぼ使い切った。
この生地が送り歯側にあると、全然進まなかった。
多分何かかませればよかったんだな、と後になって気づいたのだが、あまり量もなかったので気合いでミシンをサポートしてしまった。
壊れないといいけど。
生地がうまく進まず、下書きとかけ離れたところを縫ったため丸襟がひどく左右非対称だ。
これはメイにdisappointed と言われてしまうに違いない。
私もだよ…。
丸襟のほうはゴムを襟の端から端までぐるりと通してあり、もうひとつは襟をマジックテープで留めて脱ぎ着するようにしている。
ふたつとも赤い生地は同じ寸法だけど白いモコモコの付け方を変えたので丸襟の方が小さくなっている。
作る前は、マントが何かで引っ張られたときに首の部分が苦しくないように工夫しなければ、と思っていたけど白いモコモコが分厚いので、紐で首がギューっと締まるような苦しさはなさそう。
母は「元はピアノカバーって忘れちゃうわ」と言ってくれてよかった。
姉に見せたら「あいうえおうさまみたーい!」と喜んでくれてうれしかった。
有名な絵本の名前が出てくるなんてちょっとこっぱずかしいけど。
試作段階では着けてくれなかった姪は、完成後に「王妃さまのマント」と呼ぶと喜んで着けて走り回ってくれたようだ。よかった。
保育園で子どもたちにボロボロになるまで遊んでもらえるといいなぁ。